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波エネルギーによる
二酸化炭素の回収

Wave-DAC®

ウェーブ・ダックは、広大な海のエネルギーを利用した水素生成 / CO2回収システムです。
再生可能エネルギーを活用して大気中の二酸化炭素を回収することで、
カーボンニュートラルな社会を目指します。

ウェーブ・ダックは、広大な海のエネルギーを利用した水素生成 / CO2回収システムです。再生可能エネルギーを活用して大気中の二酸化炭素を回収することで、カーボンニュートラルな社会を目指します。

Wave-DAC®とは

波エネルギーを利用して、大気中の二酸化炭素を回収します。

波エネルギーを利用して、
大気中の二酸化炭素を回収します。

大気中から二酸化炭素を直接回収する技術をDirect Air Capture、略してDAC(ダック)と呼びます。ウェーブ・ダックはその名のとおり、波のエネルギーを利用して大気中の二酸化炭素を回収するシステムです。さらにウェーブ・ダックは、CO2を回収する過程で水素も生成します。

仕組みはとてもシンプルです。ろ過した海水の電気分解により実現します。その電気分解に必要な電力を、再生可能エネルギーである波でまかなおうというのがウェーブ・ダックのコンセプトです。丸いたまご型*のシステムを海に浮かべ、波に揺られて傾くことで電力を生み出します。

再生可能エネルギーを用いて水素を生成し、さらに大気中のCO2を回収するウェーブ・ダックは、カーボンニュートラルの実現に向けた新しい技術です。

*開発・検証が進む中で、まったく異なる形に進化する場合もあります。

波に揺られて傾くことで発電します。

現在、原理試作による動作確認を終え、高さ約2mの実験機を用いて海洋での基礎研究を行っている最中です。これまでの研究開発では、高さ30cm程度の弱い波によるCO2の回収と水素生成の実効性が確認されています。今後はより長期間の実証実験を行い、システムの効率化、安定化を目指します。その後、十分な検証により実用性が担保された段階で、商用へと踏み切る予定です。

実証実験中の直径約2mのプロトタイプ5号機。
波高 0.3m で発電の開始が確認されています。

解決する課題

大気中のCO2回収により、カーボンニュートラルな社会を目指します。

大気中のCO2回収により、
カーボンニュートラルな社会を目指します。

気候変動へ対応するため、現在世界中で再生可能エネルギーの導入が進められています。しかし再エネは天候や時間帯による変動が大きく、安定した電力供給が見込めません。

たとえば太陽光発電は、太陽の出ていない夜間には発電することができず、また日中でも雲がかかるとすぐに発電量が減少してしまいます。このような変動性の高い電源を活用するためには、火力や原発などの調整用電源が欠かせません。火力・原発の発電量を調整することで、自然まかせの発電量に対応しようという考え方です。

しかしこれでは再エネの導入が増えれば増えるほどエネルギーが不安定になり、ますます火力や原発への依存が高まることになります。このような構造的矛盾がある以上、完全な脱炭素を達成することは難しくなっています。

また農業や畜産・工業といった産業の観点からも、CO2の排出を避けて通ることは厳しい状況です。ウェーブ・ダックはこのような排出せざるを得ないCO2を大気中から直接回収することで、カーボンニュートラルな社会を目指します。

1. 高い拡張性

再生可能エネルギーを用いた技術でも、利用できる範囲が限られていては気候変動へ十分なインパクトを与えることはできません。たとえば風力発電を建設するためには、安定して風の吹く土地、それも十分な広さのある土地が必要です。さらに、巨大な支柱や長さ数十メートルのプロペラを運ぶためには幅の広い道路が必須で、近くに送電線があることも条件のひとつです。

また海の再エネ技術には、洋上風力のほかにも波力や潮力発電がありますが、いずれも海底や沿岸への固定が必要です。沿岸から離れれば離れるほど海底は深くなり、建設や送電ケーブルの敷設にかかる費用も高くなるため、既存の技術では広大な海のごく一部しか利用することができません。

海に浮かべるだけで発電するため、海全域を活用することができます。

ウェーブ・ダックは浮かべるだけの発電技術により、これらの課題を解決しました。海底や沿岸への固定が必要ないため、これまでのシステムにはなかった高い拡張性を有し、海全域へのスケールが可能です。地球の7割を占める海洋が持つエネルギーを最大限に活用できるウェーブ・ダックは、気候変動へ大きなインパクトを与えることが期待されます。

特許7285530

特許取得済み

特許7285530

特許7175044

特許取得済み

特許7175044

2. 導入コストの大幅削減

波力発電や潮力発電は、発電コストの高いシステムです。なかでも建設コストはその3割を超え、実用化の大きなネックとなってきました。

また海底や沿岸への固定することによるシステムの破損も、大きな課題となっています。発電機を海底や沿岸と繋いでしまうことで、大きな波がやってきたときにその衝撃に耐えきれず、壊れてしまうというのが主なパターンです。

ウェーブ・ダックは「浮かべるだけ」で発電を開始します。建設・設置工事が不要なため、建設コストを大幅に削減できます。また工場での量産により、さらなるコスト削減を計画しています。

ウェーブ・ダックは海に浮いているだけなので、大きな波が押し寄せてきたときでもその衝撃を受け流すことが可能です。ウェーブ・ダックはこのようにしてこれまで波力・潮力発電の実用化を阻む要因であったコストの高さを大幅に削減しています。

ウェーブ・ダックは、人と生き物にやさしいシステムの開発を目指しています。

3. クリーンエネルギーの安定供給

太陽光発電や風力発電は気候や天候・時間帯により発電量が大きく変動し、エネルギーを安定供給できない課題を抱えています。

ウェーブ・ダックは波を使って発電するため、気候や天候・時間帯に関係なく、昼も夜も発電が可能です。また、発電した電力を水素やe-fuel(合成燃料)といった保存・貯蔵が可能な形式で持ち帰るので、必要なときに必要なだけエネルギーを引き出すことができます。

さらに既存の太陽光パネルや風力発電を移動させることはできませんが、浮かべるだけのウェーブ・ダックなら発電場所を自由に変更することができます。夜になったからといって、地球の裏側へソーラーパネルを運んでいくことはできませんが、ウェーブ・ダックは海を移動できます。既存技術にはない"移動できる発電システム"として、より多くの波エネルギーを保有する海域へと発電場所を変えることで、ウェーブ・ダックはクリーンエネルギーの安定供給を目指します。

社会にもたらす影響

ウェーブ・ダックはクリーンエネルギーの生成と
CO2の回収により、新たな経済圏を構築します。

ウェーブ・ダックは、これまで十分に活用できずにいた海洋再生可能エネルギーを利用し、大気中のCO2を直接回収するシステムです。これは気候変動へ大きなインパクトを与えるだけでなく、政府・自治体・企業が所有することで、カーボン・クレジットとしての取引が可能になります。

さらに世界第6位の海洋面積を誇る日本なら、国内需要以上のエネルギーを生成することも期待できます。海洋から得たグリーン水素を海外へ輸出することで、エネルギー輸出国への転換も不可能ではありません。

海を移動しながら発電するウェーブ・ダックは、海域を占有しません。
そのため洋上風力のような景観問題もなく、また海に構造物を設置しないので漁業や環境への影響もありません。

海を移動しながら発電するウェーブ・ダックは、海域を占有しません。そのため洋上風力のような景観問題もなく、また海に構造物を設置しないので漁業や環境への影響もありません。

開発責任者

ウェーブ・ダックは開発責任者である
中山繁生を中心に開発が進められています。

ウェーブ・ダックは開発責任者である
中山繁生を中心に開発が進められています。

中山 繁生

なかやま しげお

Yellow Duck 株式会社代表。兵庫県神戸市在住。司法書士事務所勤務を経て2003年行政書士事務所開設。2012年から再生可能エネルギーの研究開発を開始。アスファルト舗装に熱せられた空気をタワー型煙突に収集し、上昇気流でファンを回す「ソーラー・ チムニー発電」の開発、無支柱で上空の気流を使って発電する 「カイト(凧)発電」(特許取得済)の開発を経て、現在、海洋の波による浮体の姿勢変化を利用した大気中の二酸化炭素直接回収と水素生成を同時に行うシステム「Wave powered Direct Air Capture & Hydrogen Generator (Wave-DAC / ウェーブ・ダック)」(NEDO賞受賞)を開発中。

2022 - 11 NEDO賞 受賞

2023 - 11 NEDO TCP採択

2023 - 09 HeCNOS AWARD 受賞

2023 - 09 大阪・関西万博出展企業 採択

2023 - 09 マリンテックグランプリ 最優秀賞

2023 - 11 大阪産業局 OSAP 採択

2023 - 12 Plug and Play Japan アクセラ採択

2024 - 03 NIPPON INNOVATION TRYOUT 採択

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